材料力学(教育学部技術教育講座・専門科目,1年後期開講)

本科目では,材料に力が加わったときにどの様な変形が生じるのかを学びます.金属の強さを調べるための最も基本的な試験である引張試験を例にして,材料の変形の仕方の基礎を学んだ後,機械や建築物の最も基本的な構造である”はり”の変形について学びます.たとえば,2017年末に起きた東海道・山陽新幹線の重大インシデントの原因は,台車の加工ミスであり,台車部の鉄鋼を削りすぎたことが主要因です.しかし,細かく分析していくと台車の金属が薄くなった事によって,材料がモーメント(注釈1)に耐えられなくなり,き裂が発生・進展したとされています.材料力学は,身近な機械や建造物を安全に設計・運用するために不可欠な学問であり,本講義ではその基礎を学びます.材料力学は,高等学校で学ぶ物理の力学が基礎となりますが,物理を履修してこなかった文系出身の学生でも無理なく学べるよう,学生の学習状況を確認しながら,講義を進めています.はりの曲げについては,3年後期の「機械工学及び実習」で実験とコンピューターを用いたシミュレーションでも取り扱います.

注釈1モーメントは,シーソーの基本原理となっていますので,誰もが子供の頃に体感していると思います.小さな子供でも,支点(中心)から離れた位置に座れば,大人を持ち上げることができますが,これがモーメント(力×支点と作用点の距離)の効果です.