日本刀で学ぶ金属工学入門(全学共通教育科目・自然科学総合,前期開講)

講義内容

講義概要

 本講義は,金属工学の基礎を学ぶ教養科目として,高等学校までの理科で学習したことなどと関連付けながら,文系や専門外の学生も理解しやすいよう配慮して講義を進める。金属工学の中でも,「鉄」を対象に組織制御の基礎について講義し,その題材として『日本刀』を用いる。

 美濃地方では,古くから日本刀を代表とする刀剣づくりが盛んであり,現在も関市を中心に多くの刀匠が活動を続けている。日本刀の基本的な製法は平安時代頃に確立したとされ,その後の創意工夫を経て,現在に至っている。今日では古い刀剣の製法は失われており,当時の刀剣を完全に再現することはできていないが,基本的な製法は現在の工場で行われている科学的に最適化された作業と共通する部分が多い。科学が未発達な時代に,これらの製法に至ったことは驚嘆に値する。本講義では,日本刀の製作方法を題材にして,その素材となる鉄の特徴について科学的な視点で学ぶ。また,銅やアルミニウム等の主要な非鉄金属の特徴についても学び,現在の生活に欠かすことができない金属材料に対する理解を深める。

講義計画

1. ガイダンス

2. 非金属材料の特徴

3. 非鉄金属の特徴

4. 鉄鋼材料の特徴(組織制御と熱処理1)

5. 鉄鋼材料の特徴(組織制御と熱処理2)

6. 鉄鋼材料の特徴(強化方法)

7. 鉄鋼材料の特徴(炭素鋼,ステンレスなど)

8. 日本刀の製作方法の概要

9. 日本刀の製作方法1(玉鋼,水へし,小割り,積み沸かしなど)

10. 日本刀の製作方法2(折返し鍛錬,造り込み,焼入れなど)

11. 日本刀の製作方法3(素延べ,合取り,研ぎなど)

12. 日本刀の特徴(形状,刃文,地金などの見方など)

13. 日本刀の特徴(主要な産地・五箇伝とその特徴など)

14. 刃物の種類とその特徴

15 まとめ

内容や受講条件などの詳細は岐阜大学のシラバスを確認下さい。なお,本講義はネットワーク大学コンソーシアム岐阜に登録されており,加盟教育機関の学生や高校生もオンラインで受講できます。

焼入れ・焼戻しの簡易実験。この処理は日本刀作りにも利用されており,講義ではその仕組みなども説明します。

折り返し鍛錬の様子(関鍛冶伝承館での公開鍛錬で撮影)

​砂鉄と木炭を用いる日本の伝統的製鉄法・たたら製鉄で作られた玉鋼

たたら製鉄が行われていた島根県雲南市の菅谷たたら山内にある高殿内部の様子。現存する唯一の高殿です

金属材料研究室について

本研究室は,中学校の技術科教員養成を主目的としている岐阜大学教育学部技術教育講座において金属材料の教育を担う研究室です。研究室では,金属の加工に関する教材の研究開発とともに,金属の変形や破壊に係わる研究を行っています。

2021年3月24日

講義「日本刀で学ぶ金属工学入門」,「金属で学ぶ日本文化史,「金属を使ったものづくり」を更新​,卒業研究を更新​

2020年9月11日

​「研究」を更新

2020年6月30日

​「2020年度公開講座:日本刀の科学」を更新

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