日本刀で学ぶ金属工学入門(全学共通教育科目・自然科学総合,前期開講)

本講義は,2019年度開講「昔と今のものづくり(全学共通教育科目・自然科学総合)」の講義内容から,日本刀の製法を金属工学の視点で分析した内容を独立させ,内容をさらに充実させたものです。2020年度より前期より開講します。

講義内容(予定)

講義概要

美濃地方では,現在の関市を中心として古くから刀剣づくりに取り組み,現在もその伝統が受け継がれている。さらに,その技術を活かした刃物づくりも盛んであり,刃物の生産量は全国一となっている。日本刀の基本的な製法は平安時代頃に確立し,その後の創意工夫を経て,現在に至っている。その素材は鉄であり,鉄を徹底的に鍛えること,軟質な鋼と硬質な鋼を組み合わせること,さらに焼入れ時の冷却速度を緻密に制御することで,「折れず,曲がらず,よく斬れる」という通常の刃物では両立できない特性を実現している。この製法は手作業か機械を用いるかの違いはあるものの,鉄に与える影響は現在の製法と違いはなく,温度計や顕微鏡などの精密な分析機器が存在しない時代に,これらの製法に至ったことは驚嘆に値する。そこで本講義では,日本刀の製作方法を題材にして,その素材となる鉄の特徴について学ぶ。具体的には,鉄の強化方法やそれに伴い生じる鉄の組織の変化などについて工学的に解説する。また,銅やアルミニウム等の主要な非鉄金属の特徴についても学び,現在の生活に欠かすことができない金属材料に対する理解を深める。学期末には製鉄所への工場見学を行い,ものづくりに対する理解も深める。

講義計画

1.    ガイダンス

2.    非金属材料の特徴

3.    非鉄金属の特徴

4.    鉄鋼材料の組織制御と熱処理1

5.    鉄鋼材料の組織制御と熱処理2

6.    主要な鉄鋼材料の特徴(炭素鋼,ステンレスなど)

7.    日本刀の製作方法の概要

8.    日本刀の製作方法1(たたら製鉄と玉鋼)

9.    日本刀の製作方法2(水へし,小割り,積み沸かし)

10.    日本刀の製作方法3(折返し鍛錬,造り込み,焼入れ)

11.    日本刀の製作方法4(素延べ,合取り,磨き)

12.    日本刀の特徴(形状,刃文,地金などの見方,主要な産地・五箇伝と流派毎の特徴など)

13.    包丁の種類とその特徴

14.    工場見学

15.    工場見学

 

金属材料研究室について

本研究室は,中学校の技術科教員養成を主目的としている岐阜大学教育学部技術教育講座において「金属加工」の教育を担う研究室であり,2017年10月から活動を始めた新しい研究室です.研究室では,金属加工に関する教育を行うとともに,金属の変形や破壊に係わる研究を行っています.

更新履歴

2019年12月2日 「講義と実習,金属加工学及び実習」,「研究,
​        卒業研究」,「研究室の様子」を更新

2019年11月29日 「研究」を更新

2019年9月3日  「講義と実習,金属を使ったものづくり」を更新

2019年8月23日   「講義と実習,昔と今のものづくり」を更新

2019年7月12日 「公開講座」と「研究室の様子」を更新

2019年5月18日 「講義と実習」を更新

2019年4月26日   「メンバー」を更新

2019年3月28日   「研究室の様子」を更新

​2019年3月10日 「講義と実習」を更新

​2019年3月4日     本公開開始

2018年12月30日 仮公開開始

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